夕方,あたしは帽子を深く被り,夕飯の買い出しに行くため外に出た。


前は諒が一緒にいないと外には出られなかったが,今は一人でも平気。


誰もあたしが紫藤穣吏だなんて気づかない。


ただ,外出する時間帯は平日は夕方4時くらいからと決めている。


中学生くらいの子供が平日の昼間に街にいたら,すぐに補導されてしまうから。

夕方のスーパーは主婦たちで溢れかえっていて,初めはかなり苦手だったが,何度も行けば自然に慣れた。


いい品物をより安く手に入れるコツや,新鮮な食材の見分けかたなど…


お店の人に教えてもらったり,テレビで見たりしたから完璧だし★


(今日の夕飯何にしようかなぁ)


店内を回りながら,夕食のメニューを考える。


諒の初バイトの日だし,今日は諒の好きな唐揚げにしてあげよ。


さっそく鶏肉や片栗粉…あとは2日分の食材を適当に選びカゴに入れた。


あ,ついでにお菓子もいれちゃえ