時は流れ三年後....



「もーっ,諒!早く起きないと大学遅刻するよ!」


「ん゙ー……」


あたしの朝は諒をたたき起こすことから始まる。


あの事件から三年が経ち
あたしは14歳
諒は19歳になった。


そして今もあたしは諒と行動を共にしている。


諒は高校を無事に卒業し,この春から実家を出て,大学の近くのマンションに引っ越した。


もちろんあたしも一緒に☆


結局,諒の両親や紫藤にあたしの存在がバレることはなく,今でもあたしは死んだ人間としてひっそりと生きている。


はじめは窮屈で仕方なかったこの生活も三年間をすれば慣れてきたし…それにまだ油断は禁物。


とは言っても,三年という月日があの事件を人々の記憶から忘れさせてくれたことは事実だ。


表面上,幕を閉じたあの事件が再び掘り起こされる心配は今のところはない。


他に変わったことといえば…


ショートだった髪が肩甲骨の辺りまで伸びたことと,顔つきがちょっとだけ大人びてきたことぐらい。


あと…三年間することがなくて毎日勉強ばかりしていたので,あたしの学力は中学生にしてすでに高校レベルはある。


まぁ,,死んだ人間として生きているあたしが,学校なんて通えないのはちゃんと分かってるんだけどね。