「じゃぁ頼んだぞ,諒」


「大丈夫だって。ほら,行くぞ」


あたしは諒と部屋を出た


諒は歩くのがかなり早くて,あたしははぐれないよう必死だった。


「あの…どこへ行くんですか?」


勇気を出して話しかけた


「とりあえず俺ん家に来い。どーせまだ誰も帰ってきてないと思うし」


諒はそれだけ言うと,またスタスタ歩き出した。


なんか…この人,苦手だな

あたし,絶対嫌われてるよね…


バスを乗り継ぎ,たどり着いたのは大きな家の前


紫藤の家よりは小さいが,諒の家もかなりのお金持ちっぽい。


「靴持って,中に入りな」


「は,はい」