「助けて…穣吏…助けて」


血だらけのお母さんが苦しそうに手を伸ばしてくる


大変!助けなきゃ…


「お母さん!!」


懸命にお母さんに手を伸ばす


あとちょっと…


もう少しでお母さんの手を掴める


そのとき


「だめよ穣吏!逃げて!」


後ろからあたしを呼ぶ声が聞こえる


誰?


振り向くと,そこには白い服をきたお母さんがもう一人,立っていた。


どっちが本物?


戸惑うあたし


「穣吏…助けて…」


「その手を掴んじゃだめ!あなたはまだこっちに来ちゃだめ!」



そんな…


あたしもお母さんと一緒にいたいよ…


あたしを一人にしないでよ