「俊也はいいの?それで…。」
「ああ。」
俺がそう言うと爽歌は納得したのか少し微笑んで言った。
「そっか…。わかった。俊也と瑠美ちゃんのことは誰にも言わない。あと私、協力するね…。」
そう言うと爽歌はハァーっと溜め息をつき「…でも、あんたって本当バカだね。」と言った。
ところ変わってここは1年6組の教室。
「ちょっとは落ち着いた?」
そう麻梨はあたしを気遣いながら言った。
そんな麻梨の優しさをひしひしと感じながら、当の本人であるあたしの涙は大分止まったもののさっきの出来事から立ち直れないでいる。
「…うん。大分まし……。…でもやっぱりきついなぁ…。会えるんめっちゃ楽しみにしてたのに…。覚えてへんって……。」
これからあたしはどうしたらいいんやろ…。
さっきまではこれからのここでの生活にめっちゃ期待してたのに…。
今じゃ目の前、真っ暗や……。
「なぁ…。あたしもう俊ちゃんのこと諦めた方がいいんかなぁ……。」
「ん〜…そうだなぁ…、諦めるにしろ諦めないにしろ最後に自分が後悔しなきゃそれでいいんじゃない?だからよく考えなよ。あたしはいつでも聞いてあげるから。」
その言葉であたしは救われたような気がした。
YesでもなくNoでもないその言葉に。