こんなとこで瑠美の話なんかして誰かに聞かれるわけにはいかねぇって。




そう思いながら爽歌の手を引き人気のない所まで移動した。



俺が立ち止まると同時に爽歌が口を開いた。


「ちょっ!!何なの!?何でこんなとこ連れてくんの!?」

「あそこで話す訳にいかねぇし。」

「はぁ?何で!?意味わかんないんだけど!!」

「だってお前、気付いてんだろ?あれが瑠美だって。」







俺がそう言うと爽歌は「やっぱりあれ、瑠美ちゃんだったんだ…。」と呟くと次の瞬間、凄い剣幕で俺に話してきた。




「ねぇ!何で瑠美ちゃん泣いてたの!?!?あんた何したの!!!!」





泣いてた?

そっか、あいつ泣いたのか。



別に泣かせたかった訳じゃねぇんだけどな…。


何か矛盾してるよな。

瑠美を守ろうとしてしたことなのに、結果瑠美を泣かせてるんだからな。



でもああするしか方法ねぇし。




そんなことを考えているといつの間にか爽歌の声は聞こえなくなっていた。






「……っと!…ちょっと聞いてる!?」



その声でハッとした。



「わりぃ。何?」

「だから瑠美ちゃんに何したの?」


少し呆れた感じで爽歌は言った。



「あんたなんか知らねぇつった。」




それを聞くと険しい顔をして言った。