「それにしても
あの仁井田さんって人。
あの人、ここら辺で…」



「「「かわいい〜っ」」」




「ごめん、みんなの声で
聞こえなかった…
なぁに?美紀。」




「…後から言うね。
でもびっくりしないで。」


「うんっ」




黄色い歓声の中
笑顔で手を振りながら
あたしたちは
校舎についた。




「ふぅ。毎朝大変だよね。」


「だ〜か〜ら〜
愛香のファンだっつうの!」


「ちがうってば〜
こんなに美人な美紀が
隣にいるのに〜。」



「はぁ。
それでね、愛香。
さっきの人の…」



ガラッ



先生が入ってきた。

「は〜い。
今日は転校生がいる。」


教室がざわつく。





「仁井田光輝くんだ。」



ガラッ



「「キャァーッ」」


女の子たちが騒ぐ。



「初めまして。
青山愛香様の執事です。
みなさん、どうか
仲良くしてください。」



「「「キャァーッ」」」



一層声が…


耳痛い…。