「…ブルルルル…シャーーッ…」

ジョーはアクセルを踏み込みNSXを走らせ有紀の家へと向かった。車内は静寂が続いていた。何故そうなったのかは全て有紀本人に問題があった…彼氏の病状について語っている時まで口元が緩んでいたのだ。ジョーは有紀の嘲笑う態度をとても不快に感じていた…何かよからぬ事を考えている様な目をしている有紀の目…そう…有紀の目は全てを物語っていたのだ…午前2時の雨のドライブは『哀しき恋人のお別れの歌』を作り上げる為のものでしかなかった…雨は会話をしている間に止んだが道路は水浸しでまるで泣いているような感じだった…時は午前6時を回っていた…