「…私の彼…志村博司と言うのですが、彼…いわゆる心の病にかかってまして精神安定剤を始め効鬱剤や睡眠薬など5種類もの薬を服用しているんです…」

「…5種類…ですか??もはや薬物中毒の恐れがあるのでは?」

「…はい…しかし、飲まないと発作のようなものが起きてしまうのです。医師からは原因不明と言われまして…結局、薬も気休め程度で最後は自分の気持ち次第だそうです…」

「…そうですか…心の病は積み重ねた経験もあるが、ふとした事でもかかったりするものです。…そんな彼氏を想う有紀さんは優しいですね…」

「…そうですか?私から言わせればジョーさんの方が優しいですよ。私の彼の事まで聞いてくれて…」

「…いえ…では、そろそろ行きますか?」

「…はい…」

ジョーは有紀を気遣い家まで送ることにした…しかし、言葉とは裏腹にジョーの顔は微塵も心配をしていなかった。