あたしはその決断を千春に一番に告げた。

 彼女は一応、素振りかもしれないが引き止めていた。

「いいの?」

 あたしは頷く。

 迷いはなかった。

 これでいいと思えたから。

「京香が決めたならあたしは応援するよ」

 彼女はしばらく考えると、ニッと笑った。

「撮影が終わったらプレゼントをあげる」

「いいよ。そんな」

「お金はかかんないからいいの」

 強気な笑顔を浮かべる彼女を見て、彼女は何かを企んでいると思ったのだ。



 母にも電話をした。彼女は「わかった」とだけ言っていた。