「そうなの?」

 木下さんは頷いた。

「どんな仕事ですか?」

「まだ、確定じゃないけど、映画の仕事と、この映画のことでの取材」

「映画ってどんな映画?」

「決めたの?」

 あたしは木下さんの言葉に返事ができなかった。

 まだ迷っているからだ。

「詳しい話は後で教えるわ。まだ確定じゃないし、下手に教えることであなたの決意を妨げる気がして、ね」

「そうですね」

「タイムリミットまではあと少しよ。それまでに決めなさい。あなた自身でね」

 あたしは彼女の言葉に頷くしかなかった。