「休んだほうが」

 心配そうにあたしを見る。

「大丈夫だよ」

 杉田さんは明日また家に戻る。

 大学で必修科目の授業を受けないといけないからだ。

 大学に通っている彼のほうが大変なのに根をあげることなどできない。

「これを撮ったら休憩に入るから」

 あたしは頷いた。

 撮影が始まる。

 あたしが顔を上げて杉田さんを見たときだった。

 胃の辺りに不快感を覚えていた。

 でも、あたしはその痛みに堪えて彼を見た。

 その苦しみをできるだけ顔に出さないように心がける。