朝、起きると、監督から地図を渡された。

 そこには各所に印がつけてある。

「これは?」

「予定している撮影地だよ。見たかったら杉田君と見てくるといい」

「ありがとうございます」

 でも今日は難しいだろう。

 杉田さんたちが来るのは夕方になりそうだった。

 あたしは部屋に戻ると一人で台本を読み込むことにした。