「撮るって伯父さんが?」

「じゃなくて、あたしが撮るから。お願い」

 あたしは杉田さんを見た。彼は別にかまわないと言いたそうに肩をすくめている。

 あたしと彼は千春に言われたとおりのシーンを演じた。

 彼女は何度もお礼を言って出て行く。

 あたしと彼は目を見合わせると肩をすくめていた。

「何があるのだろう? 映画のことなら伯父さんが撮るよね?」

「何となく分かったかも」

 彼は困ったような笑みを浮かべていた。

「何が?」

「そのうち分かると思うよ」

 彼の意味深な表情を見ていると、それ以上は教えてくれないだろうと分かった。

「それじゃ、続きをしようか」

 あたしは納得がいかなかったが、彼の言葉を受け入れることにした。