あたしたちは駅前で待ち合わせることにした。そこがあたしと弘の家の中間地点だったからだ。

 あたしは母親に買ってもらったピンクの花柄のワンピースを着ていくことにした。

 あたしを見て、弘は目を丸める。

「何よ」

 あたしは今まで見たこともない弘の対応に戸惑っていた。

「お前でもそんな洋服を着たらそれなりに見えるんだなって」

「あんたそれ、褒めてないわよ」

「気にするな」

 彼に言われる分には気にしない。彼自身も大して意味もなく言ったのだろう。