あたしは尚志さんに送ってもらうことになった。

 あたしが借りた本は尚志さんが持ってくれている。

 あたしが持つと言っても尚志さんは聞く耳を持ってくれなかったのだ。

「君はそんなに女優になりたいのか?」

 オレンジ色の光が尚志さんの顔を照らし出していた。

 あたしはそんな彼の姿をただ美しいと思っていた。

「なりたいです」

 尚志さんは何かを考え込んでいた。

「君の夢、かなうといいね」

 そう言うと、彼はあたしの肩をぽんと叩いた。




 あたしは夏休み、尚志さんと一緒に遊びに行った。

 それぞれの思い出がとても楽しくて、今まで生きてきた中で最高の夏休みになったのだ。