「あたし帰る」

「俺も帰るってば」

一緒に歩きながら家路に向かう。

「…あんたさ、何で教師になろーなんて思ったの?」

「教師が嫌いだったから♪」

嫌いなら、何でこの職業選んでんだよ。
「もうひとつは…俺の彼女が教師が好きって言ったから」

…くだらない。
やっぱ最低。

「女の為になったのかよ、バカじゃん」

「あのなぁ…」

「たかがそれだけの理由でなったとか…呆れる」

あたしはまた走った。今度こそ、あたしは全速力で。

あいつは追いかけてこなかった。
それで良かった。
くだらないバカをこれ以上、見たくなかった。


「…人の話、最後まで聞けよ」


あたしは、教師なんか嫌いだ。嫌い、嫌い、大嫌い。