「………」



お祖父様と話をつけ、誰も寄りつかないような倉庫の前で車をおりた。

すると僕を待っていたように物陰からいつもの二人が姿を現す。



「お話はつきました?」


「ああ…。お祖父様に宣言してきたよ。僕は僕の道を行く。今後は冥王星の後継者じゃなく敵だと思ってくれてかまわないってね」




自然と冷ややかな目で二人を睨むと二人はにこやかな笑顔からガラリと表情を変えた。

この顔を見ると嫌でも思い出してしまう。あの日のことを…



―「な…んでユイとケルベロス達が一緒にいるんだ?」

―「これはリュウ様…」



あの時もこいつらは今と同じ氷のような瞳で僕に笑って見せたんだ。

まるでユイと僕のやりとりを楽しんでいるかのように…




「僕は誰の手も借りない。
冥王星とは一人で戦う。だからQクラスのメンバーには手を出すな」



思い出すだけでも反吐がでるあの記憶を頭の中から消去できたらどんなに楽なんだろうか…

存在すらも消してしまいたくなる。


吐き捨てるように言い、その場を去ろうとすると「リュウ様」と、ケルベロスに引き留められた。




「あなたはあの猫の首輪を持っていますよね?」