あたしはニコッと笑って、智の胸に顔を寄せた。
トクントクンって聞こえてくる智の心臓。
「ただ……こうしたいだけ」
そう言って目を瞑った。
あたしより大人って何よ。
ちゃんと……年下な所があるんだって分かった。
梓乃ちゃんって……可愛く、ちゃん付けで呼ぶ智。
恥ずかしそうにあたしを抱きしめてくれる智。
気にしてる事言われて、拗ねちゃったり……智だって子供なんだって。
それを知ったら嬉しくって。
「智……?」
智の顔を見上げて名前を呼ぶ。
すると智は、ん?って顔をしてあたしを見下ろした。
早く大人になりたいって思ってる智に、あたしは甘えて良いんだよね?