年とか、変えられないものを言うなんて最低だよね。
そう思っていると優しく、でもきつく抱きしめられた。
驚いて固まっていると、智が言った。
「俺……早く大人になりたかったんだ」
そう言った智の声は、どこか寂しそうであたしは智の背中に腕を回した。
「その事言われて……不機嫌になる俺って、やっぱり子供だよね」
そう言って恥ずかしそうに笑った。
あたしに追いつきたくて、早く大人になりたいと思ったの?
2つの年の差を気にしてたの?
あたしは何だか嬉しくなって智の大きな体を抱きしめた。
「……梓乃ちゃん?」
少し顔を赤くしてあたしの顔を覗き込んでくる。