「っちょ、梓乃ちゃん。とりあえず入って」
そう言ってあたしを抱っこして玄関の扉を閉めた。
あたしを抱っこした智が、あまりにも軽々しくてドキッとしてしまう。
ゆっくり下ろされたのはバスルーム。
「梓乃ちゃん……体冷たいから、温まった方がいいよ」
それだけを言って智は出て行ってしまった。
あたしは一瞬戸惑ったけど、お風呂を借りることにした。
体も温まって、置いてあった大きな智のスウェットに身を包んでリビングへ向う。
すると智は、あたしの手を握ってソファに座った。
無表情であたしを見つめる智に負けて、あたしから口を開く。
「年下のくせにとか……言ったりしてごめん」
そう言って俯いた。