あぁ!!
泣かないでよ……。
俺は慌てて涙をブレザーで拭って視線を逸らしながら口を開いた。
「俺が怒ってるのは、さっき。梓乃が他の男と喋ってた事」
初めて梓乃って呼び捨てにした。
初めてヤキモチ妬いたって打ち明けた。
本当は……こんな恥ずかしい事いいたくなかったんだからね?
そう思っていると、梓乃ちゃんは口を開いた。
「…智、顔赤いよ?」
って。
「そういう事言わないでよ」
腕で顔を隠しながら俺は梓乃ちゃんを睨んだ。
すると梓乃ちゃんは俺を見上げながら言った。
「……ヤキモチ妬いてくれたの??」