何となくため息をついて濡れている髪を指に通してみた。
もうバリバリ。女の子は髪が命なんだから。
そう苛立っていると、あたしの頭にタオルが優しく被された。
「……やっと見つけた」
そう言ってあたしの頭をタオルで優しく拭いた。
「……智」
名前を呼ぶと、彼はフッと笑った。
こいつがあたしの彼氏、笠井智。
高校1年で、あたしの後輩。
つまり年下。
格好いい顔してて、背も高くて女子の人気は高い。
そんなこいつが、あたしに告白してきて本当に驚いた。
あたしは智を見上げながら声をかけた。
「どうして……ここに居るの?」