「ススム・・・」




山崎のいる部屋に移った凛の瞳にまず飛び込んできたのは顔を包帯で覆い、痛さと熱にうなされる山崎の姿だった。




「ススム、わかるか?私だ。」




「うっ・・・り・・ん?どない・・・した?」



途切れ途切れの声で凛の名を呼ぶ山崎はとても痛々しかった。





「今日はこっちで眠る。明日、江戸へ行くそうだ。朝早いからゆっくり休むようにと局長が。」





「さ・・・よか・・・ほな・・・凛、早う眠むりや・・・」




山崎はそれだけ言うとまた気を失うように眠りに付いた。






「松本先生、ありがとうございます。わがままを聞いていただいて・・・・」





「いえいえ、それではまた後で来ますからゆっくり休んでくださいね。」






松本は優しい微笑を浮かべると部屋を出て行った。