「おや、凛くんはすっかり君がお気に入りのようだね。」



ふふっと山南は二人を見て笑う。



「は?」



何故、山南が笑っているのか分からない山崎は不思議そうに山南を見る。




「凛くん、君が離れようとしたら着物の裾を握り締めていたよ。」




山南にそう言われ凛の手元を見てみると確かにしっかりと山崎の着物を握り締めていた。




「さてと、私はそろそろ行くかな。」




山南はそう言って部屋から出て行った。





「凛・・・お前なぁ・・・」



どかっと凛の布団の横に胡坐をかき凛の手を優しく握った。