「そうか・・・。」




近藤は苦虫を噛み潰した様に渋い顔をする。





「ただ吉田が京にいるのは確かです。巡察の時は目を光らせておきます。それでは・・・」




凛がそう言って部屋から出ようとすると




「凛くん、大丈夫かね?」



近藤が遠慮がちにそう言った。




「・・・はい。ご心配ありません。」




凛は振り向かずそれだけ言うとさっさと部屋を出て行った。




自室に戻り畳に崩れ落ちるかの様に座り込んだ。




きっと吉田は私を殺すつもりなのだろう。



だがあの時一体何故家族は殺されたんだ?




ドクン・・・・



ドクン・・・・




「はぁ、はぁ・・・」



心臓を誰かに鷲掴みにされた様な感覚に陥り呼吸がしにくい・・・。