「遅かったか・・・・。」




凛がその場についた時には既に吉田の姿はなかった。




「吉田・・・・」





その後、凛は町の中を探してみたがあの男の姿は何処にもなかった。





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「局長、山内です。」





屯所に戻ると掃除は終わっていていつもの屯所に戻っていた。



凛はそっと局長室にいる近藤に声を掛ける。



「あぁ、凛くん、入っておいで。」



「失礼します。」




近藤に中へ入るように言われると凛はそっと襖を開け中に入る。





「どうしたね?そんな怖い顔をして・・・」




「局長、巡察のとき吉田を見ました。」



凛がそう言うと近藤の顔は一気に険しくなった。




「本当かね。してその吉田は?」



「吉田の居た場所へすぐに向かいましたが既に姿はありませんでした。」