「暁……?あのっ…離して…?」


「翠央……、あの先輩のことなんて忘れて、俺を好きになれよ…。」


暁の温もりが背中に、そして心まで伝わってくる。


「翠央が、そんな風に元気ない顔してるのも…アイツのせいなんだろ…?俺…お前の辛そうな顔は見たくねぇんだよ…。」



暁は…本当に優しいね…。
私の表情の変化だって、こんな風に誰よりも気付くのが早くて…。


心配してくれる…。
想ってくれてる…。


なのに、私が好きになったのは匠先輩……。


どうしてなんだろう…。