先輩は女の子たちに囲まれながら、誰かを探しているかのように周りをキョロキョロ見回している。



誰かを待ってる…?
もしかして、夏海先輩?


そう思ったら、自然と昇降口の方から後退りをしている私がいた。


「ど…どうしたの?」


智依は不思議そうに私を見る。


このまま昇降口に行ったら、匠先輩と鉢合わせしちゃう……。


そんなの…気まずくて出来ないもん…。