「匠先輩っ……!」


立ち上がろうとする私を先輩は押さえつけるようにソファーに倒した。


「なあ…。翠央の心は、今、誰のところにあるの?」

上から見下ろすように先輩に見つめられて、私は視線のやり場に困ってしまい横を向く。



「あと、翠央の唇はいつになったら奪えんの…?」


顎を持たれて、先輩の方に顔を向けさせられて、唇を指でスッと丁寧になぞられた。