破顔しながら、うずくまるクロス
涙目にさえもなるが
「っ、てめえぇ。いきなり何しやがるっ」
痛みより怒りが大きかった
今にでも殴りかかりたいが、姫の手前とあって拳を握るだけ――
「根暗っ、陰険っ、バカバカバーカ!」
「……、単細胞馬鹿というのはあながち間違いではないと思うが」
悪口を言うにも学が必要だと改めて知る
頭を押さえながらロードを睨むも、迫力にかけて幼稚園児の反抗期並みに憎めやしない
「口を閉じていろ。ただでさえ頭悪いのに、余計に悪く見えるからな。黙っていれば、寡黙と名がつき頭良い奴のカテゴリに入れられる。
が、もう君は手遅れだな。街の子供に後ろ指差されるようでは後戻りはきかず。君のレッテルは博士号でも取らない限り、一生『バカクロス』のままだ。
まあ今日は、『バカクロス』の称号(かんばん)を背中につけていないようだが」