それからは、毎晩のようにお父さんに求められた。
拒絶すれば、気を失うまで殴られる。
地獄のような毎日・・・。
体と心の痛みに耐えながら、私は受け入れるしかなかった。
“母さんに言うんじゃないぞ”と、お父さんに言われたからじゃない。
お母さんには、申し訳ない気持ちで話せなかった。
助けて欲しくて、心が張り裂けそうな毎日を過ごしていたある日の事。
洗面所の方から、母のすすり泣く声が聞こえた。
「お母さん、どうしたの?」
覗いてみると、私の下着を手に、泣き崩れるお母さんの姿。
「お母・・・さん?」
私に気が付くと、すっと引き寄せて、強く抱きしめた。
「サラ・・・、ごめんね。お母さん、気付いてあげられなかった。ごめんね・・・、ごめんね・・・。」
何度も謝るお母さん。
何を言っているのかすぐに分かった。
ずっと張り裂けそうだった心が、少し救われた気がして、
寝ているお父さんを起こさないように、声を殺して泣いた。