「お前が朝、楽しそうにあいつと一緒に歩いてたから・・・。」
「はへ?」
思いがけない発言に、間の抜けた声が口をついて出た。
「だから、朝、榊原と一緒にいるお前が、楽しそうに笑ってて、正直ちょっと・・・、妬けた。」
あまりにも意外すぎる柏原の言葉に、今度は私がきょとんとしてしまう。
あんた、そんなキャラじゃないでしょ。
「それと、今は怒っている訳じゃなくて、俺、初めて本気で惚れたお前とデート出来る事に、
舞い上がっているのと、照れくさいのとで、どうしたらいいのか分からねえ。
怒っているように見えたなら、悪かった。」
そ、そうなの?
あまりにも、俺様イメージからかけ離れた発言に、意外な一面を知った私の心臓は、駆け足でスピードを上げる。
「ううん。私の方こそ、ごめん。」
・・・・・・。
・・・・・・。
そして再び、無言で歩く二人。