-翔-

ピンポーン・・・
ん?誰だこんな夕方に・・・
「はーい」
オレはドアを開けた。
「し、翔!」
すると、梨奈が焦った様子でしがみついてきた。
「な、なんなんだよ梨奈。らしくねーぞ」
たぶんオレは少し照れてた。
「いっ家にっ・・・・・
虫がぁっ・・・」
・・・なるほど。そういうことか。
梨奈は昔から大の虫嫌い。
虫がいると、いつも泣きだしてた。
「わかったよ。オレがとってやるから・・・」
「・・・・・うん」
虫ってか・・・
これ、カナブンか。
オレはカナブンをつかみ、窓から逃がしてあげた。
「はぁ・・・・・。よかったぁ。
ありがと翔」
「お前なぁ・・・虫くらいどうってことねぇだろ」
「なんでさ!怖いんだもん、しかたないじゃん!」
梨奈はほっぺたを膨らまし、怒ってる。
そこが・・・またかわいい。
「ちょっと翔ぅ??!聞いてんのぉ!?」
「なぁ梨奈」
オレは気持ちがおさえきれなくなった。
「・・・何?」
梨奈は怒るのをやめ、きょとんとしてこっちを見ている。
「梨奈はさ、好きな奴とか・・・いる?」
オレがずっと聞きたかったこと。
やっと聞けた・・・・・