-翔-

・・・なんなんだよ梨奈は。
いきなり・・・キレやがって。
てかまじでさ。梨奈、1人でいる。
休み時間も昼休みも、なんのときも・・・
ずっと、1人。
梨奈は、あえて女友達のところに行かない。
前に、“1人で過ごすのが好き”って言ってた。
だけどこんな―――――・・・
ずっと1人でいたら、さみしいに決まってんじゃん。
みんなが騒いでる中、1人でいたら・・・・・
悲しいに決まってんじゃん。
なんでみんな気づいてやんねーの?
「翔く~ん?でね・・・」
「おい心愛」
オレは近くでベタベタしてくる心愛に、きつい口調で言った。
「お前・・・梨奈と一緒にいねーの?」
心愛の顔が、一瞬ひきつった。
「りっ梨奈、1人でいたいって言ってたから・・・」
「嘘つくんじゃねーよ」
もう、うざくてうざくて仕方なかった。
「梨奈のこと・・・いじめてんだろ?」
「・・・え・・・?
何言ってんの?梨奈をいじめる??誰が???」
「ごまかすんじゃねーよ!!!」
本気で・・・・・うざい。
「もう2度と・・・
オレたちの前に現れるな」
・・・・・終わった。
これで何もかも。
梨奈は痛みから解放されたはず・・・。
心愛は、涙目でオレのそばから離れた。