私は施設の玄関前に亜結の自転車を持ってきて、瑠架くんを待った。 何度か施設に来た彼を私は知っていた。 コツコツ― 「あっ」 そこには驚いたような顔をした瑠架くんが居た。 「あれ…薫…さん?」 「私の名前…」 「亜結から聞いた事あるから」 成る程…亜結、話てたんだ。 「あ、今日亜結、学校休むそうです。だから自転車」 そう言って私は自転車を渡す。