お母さんの話は、こうだった。

16歳になったばかりで妊娠…
もちろん誠(お父さん)の両親は反対。誠も反対をした。でも紀伊(お母さん)は私を産みたくて出産。でも1人じゃ育てられるはずもなく…この施設の前に置いて捨てた…

こうだった。


「なら…生まなきゃ良かったのに…」

ずっと思って生きてきた事。
生まれて来なきゃって…

何度も何度もそう思ってきた…。


「私は…あなたに悪い事をした…一生かかっても許されない…でも分かって…捨てたくて捨てたんじゃないわっ」


お母さんの涙を見て、これは嘘じゃないって分かる…

でも、やっぱり…
許せない…許せないよ…

こんな私で、ごめんなさい。