「え?」

「陸上嫌いか?」

嫌いな訳がない…嫌いなんかなれなかった…私は陸上が、走るのが好きだった。

でも私は、もう走らない。走れない。


だから


「嫌いです」


嘘をついた。


嫌いって言えば、これ以上何も言わないと思ったから。
やる気のない奴を育てるなんて絶対にしない。