「待ってたの?」

「鍵」

そう言って手を前に出してきた。

鍵…

あー自転車の鍵ね。

私はポケットの中から鍵を取り出して瑠架に渡した。


「早く乗れよ」

そう言って私のカバンを取り自転車のカゴへと投げた。

「落ちそう…」

「あ?」

瑠架のスポーツバックの上に置かれた私のカバンは今にも落ちそう…