「あたし達、繋がってるんだねっ」


・・・これは、俺のモノでもいいよな?


このストラップだけは有香が俺を愛してくれた証として俺が受け取ってもいいよな?


胸の中に温かいモノが広がっていくような感じだった。


嬉しかったよ・・・


家に帰るまでも本当に嬉しくてたまらなかった。


今にも飛び出そうなくらいの喜びを必死に抑えたけど。


有香が本当の彼女だったらこんな感じなんだな・・・


毎日嬉しくてたまらないよ。




でも、俺の心は喜びとともに小さな痛みも感じていた。


・・これは“俺”に対してじゃなくて“梓”に対してだから。


そう思うとやっぱり心は痛むんだ。





俺は横に歩いている有香の横顔を見つめた。


なあ、有香・・・



俺を、片山陸を愛してくれないか――・・・?



俺の願いは夕日と一緒に海に消えて、あたりは暗くなっていった。