そして、もう我慢ができなくなっていた。


「なんでっ…っ…」


俺は有香の唇に自分の唇を押し付けた。


掴んだ有香の腕。


キスをしている間に漏れる甘い声。


すべてが・・・


すべてが愛しくて俺がずっと欲しかったもの。


でもあまりにも長くしすぎると嫌われてしまいそうだから俺は有香と唇を離した。




「…梓っ…」


有香の口から聞こえてくる声が甘すぎて少し我慢できなくなってしまいそうになる。


赤くなった有香の顔があまりにもかわいすぎて。



『好きだ・・・』


つい、自分の素の気持ちを言ってしまった。


そして、キスする有香の唇の間から自分の舌を入れる。


「…やっ…」


そう言って俺の体を押す力は弱かったけど、俺の理性が戻ってきた。


そうだ、有香は梓の彼女だ。


俺が今有香を奪ってはいけない。


これは期間限定。
有香が俺と梓の関係に気づくまでの関係なんだから。


そんなとき、有香の口があいた。