理輝は、緊張した顔で俺を見た。


「麻妃と付き合ってるんだよね?
敏夫から聞いてたんだけど。」


「あ、告白されて付き合ったけど
なんか違うから別れた。」


「別れたのか?
麻妃は納得したのか?」


「知らない。
でもやっぱ俺の好きなのは春妃だから
麻妃では我慢できなかった。」



「春妃はさ、今すごい大事な時で
この企画にかかわって動いてるスタッフが
たくさんいるんだ。
春妃の行動ひとつで大打撃を受ける。」



「俺には関係ない。
俺は春妃がずっと好きだったから。
もう気持ちにウソつけない。」


「おまえはまだ中学生だ。」



「おとうさん、人を愛したら
そんなの関係ないよ。
好きな人を抱きたい、愛したい・・・
それがお互いの気持ちなら
もうそうするしかないだろう。」


理輝が大人に見えた。
相手が春妃でなかったらこんなに
ヒヤヒヤしないけれど


春妃はもう普通の女の子ではない。


会って言い聞かせようと思った。