奈々子の葬式で久しぶりに
敏夫の家族と再会した。

もう叶絵とあっても
胸は痛まなかった。

奈々子が俺の傷を癒してくれた


そう確信した。



まだ小さい理輝は、あまり状況が
わからないようで
じっとしていられずに
バタバタ走っていた。


敏夫の長女・・・春妃が理輝の
面倒をよく見てくれた。


「大きくなったね。」
春妃の成長がまぶしかった。


「おじさまが私の名前つけてくださったって
私、この名前が大好きです。
ありがとうございました。」

春妃はそう言って私の目を見た。


一瞬あの初めて会った日に
飛んだ・・・・・


春妃の汚れのない目が俺の心の
底を見つめている

あの初めて会ったあの日に……


それから、敏夫家族に支えられながら
理輝を育てていく・・・・