「今度、田舎に行って
おかあさんのお墓参りしてくる。
おじいちゃんに話してくれる?」


「そっか~
おとうさんも行きたいな。
おかあさんはよく会いに来てくれるけど。」


「え?
どういうこと?」


「おとうさんのとこに
おかあさんが来てくれるんだよ。」
父が明るく笑った。


「ずるい~どうしたら
私のとこに来てくれるのかな?」


「おとうさんが
情けないから心配してるんだよ。
おかあさんのことばっかり
考えてるからさ。
しっかりして子供たちどうするの?って」


「あ、怒りに来てるんだ。」
私もおかしくなって
ゲラゲラ笑ってしまった。


「情けなくてごめんな。
なんでこんなに情けないのか……
死にたくなる時あるんだ。
でもさ、おかあさんが鬼のような顔で
怒ってるんだ。
子供たちをどうするの!?ってさ。」


「うん、うんどうすんの?
おとうさんまでいなくなったら
うちらどうしたらいい?
そのほうが情けないからね。」


「こんなおとうさんでも
林檎は許してくれるか?」



「こんなおとうさんだもん。
お母さんの代わりにうちが
ここでおとうさん監視してあげるよ。」


父は涙ぐんだ。