「うっ…っ……くっ……」 いやや、こんなことで泣きたくない。 涙なんか流したくない。 そう思っても、涙は止めどなく溢れて、 拭いきれなくなって、 声を上げて泣いた。 雨でも降ればいいのに。 そしたら、悲劇のヒロインっぽいのに。 中途半端な天気に嫌気がさす。 ああ、あんな状況でも、 貴方のことかっこいいなんて 思ってしまった。 好き――――。