朱里と話している間にチャイムが鳴り、まだ集まってる人は居るけれど避けながら自分の席に戻った。
後ろからは女の子たちの質問の声が聞こえてくる。


「ねぇ工藤君って彼女いるの？」

「いねぇけど」


うわー。
凄くめんどくさそう。


「工藤君の事さ、優って呼んでいい？」

「あぁ」


「ホントに！？あたしホント呼んじゃうよ？」

「あぁ」


おまけに無愛想。
その後どの質問に対しても、あぁとしか答えず、女の子達が席に戻って行くと大きなため息が聞こえてきた。
かなり、かなーりお疲れのご様子。
その空気を背中で感じ取っていると背後から声が聞こえてきた。


え？私？


ゆっくり後ろを振り向くと、転校生は頬杖を付きながらこう言った。


「お前、名前なんていうの？」

「え？お？」


お前！？


「だからお前の名前」


聞き間違えではない。お前。


「あ、相沢ルイ」


びっくりしながらも私が名前を言うと転校生は相沢ルイ、相沢ルイ…と呟いた後、ジロリと私を見て


「ふーん」



そして机に突っ伏し寝た。