教室を出ると、廊下には工藤君の姿がない…



「ルイ!まだ階段下りてるよ!きっと!」


「うん。そうだよね。じゃ、私、行く」


「うん!…頑張ってね!」


ポンっと肩を叩かれニコッと笑う朱里に、私は手を振って、走って階段へ向かった。


小走りで階段を下りて、小走りで踊り場を通り、また小走りで階段を下りる。



1階に着き、玄関へ走って向かったけど


「はぁ、はぁ、はぁー……」


工藤君の姿はどこにもない…。


今日は声を聞くことも、休み時間ずっと机に突っ伏してたから、顔を見ることも無かった。