「あらら、ものすっごい見事な選曲だねぇ」
ガブリエル様が感心したように呟いた。
ほんと。
オレのために選曲してくれたの?
なんて思ったけど、これ決めたときってオレの正体知らないもんね、あの二人。
「恵み溢れる聖マリア」
「は?」
「ワコが歌っている歌詞の内容、わからないだろうから訳してやる。両方聞け」
「はぁ」
なんか……一応優しさなんだよね、これ。
Ave Maria!
Jungfrau mild,
「恵み溢れる聖マリア。
慈悲深き乙女よ」
そっか。
これ、マリア様を讃える歌なんだな。
慈悲深き乙女よ……か。
そうしなくちゃならない葛藤あったの、みんな知らないよね?