階下では30人近くのハンドベル部の子たち懸命にがマリア様の像とイエス様の十字架の前で演奏をしていた。


「讃美歌ですねぇ、ミカちゃん」

「ああ」

「キリスト教系の学校だって分かっとるけど、なんか憎い演出やなぁ」

そう言って隼人はオレを見た。


憎い演出ねぇ。
あの人たちはこんなところに『本物の天使様』方がいらっしゃるなんてこと、知らないからなー。
知ったらどう思うかな?

驚いて声も出なくなっちゃうか。


「なんか胸に来るねぇ、ミカちゃん」

「いちいち聞くな」

「またまた~。ほんとは感激屋さんの癖にぃ」


ガブリエル様はミカエル様をいじりまくってる。


最近丸っこくなったせいか、こうやってよくかわいがられるんだよねぇ、天使様。



にしても。

うん。

この音色。


神様に絶対に届いてると思うよ、オレ。


それくらい感動的な演奏だった。