オレは「こっちです」と『友人』を案内する。


優雅に歩くラファエル様の後ろ姿に、キュンキュンしているらしい女子の悲鳴が追いかけてくる。


女子ってこんなにウザい生き物だっけ?


なんとなく。
なんとなく。



男子校が恋しい。



2階の部屋に通すと、ラファエル様の表情は一変した。


恐ろしいほどの鉄面皮と化した。


さっきまでのあの柔和な(部分的には違うけど)笑顔はどこへやら。


いや、こっちが本物で。
さっきのは営業マスクで。

って。


同じようにミカエル様の顔もおっそろしく固いです。


「本は処理したのか?」


本題を切りだすミカエル様にラファエル様は「勿論です」と答えた。